still human
2021-2022
“still human” とは、「生まれ直し」の実践である。肉体の任意の場所にカメラを装着し、その映像をヘッドマウントディスプレイを通してみることで、目を肉体の異なる場所へと移動する。そこから立ち上がる肉体は、これまでこの社会で埋め込まれてきた振る舞いを解体し、「正常なる人間」から軽やかに逃走することを試みる。
"still human" is the practice of "rebirth". By attaching a camera to any location on the body and viewing the image through a head-mounted display, the eyes are moved to a different location on the body. The body that emerges from the situation attempts to dismantle the behaviors that have been embedded in this society, and lightly escape from being "the normal human".
肉体捻転図 / Body Inversion Diagram
「生まれ直し」についてのドローイング / A drawing of "Rebirth"
動きの再構築
「頭に目がついた人間」=「頭目」として暮らしてきた我々は、異なる目の位置に生まれ直す時、「立つ」「座る」「歩く」といった動きの全てを再構築していくことになる。
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手目 / Hand Eye
背目 / Back Eye
尻目 / Hip Eye
足目 / Toe Eye
頭目 / Head Eye
自己像の再構築
still humanを実践した複数の体験者に、体験中の自分自身の身体がどのように感じられたかを思い出してスケッチしてもらった。
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自己像のスケッチ - 足目 / Toe Eye
自己像のスケッチ - 手目 / Hand Eye
自己像のスケッチ - 脇目 / Armpit Eye
環境の再構築
また、still humanは、「ある標準的な人間」のために作られた人工物や建築物に対して、設計されたものとは異なるアフォーダンスを受け取る。
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発表と実践
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肉体逃走合宿
still humanを複数人で泊まり込みで行う、「肉体逃走合宿」を行った。参加者は各々異なる目の位置を体験し、それぞれのstill humanは動きの発見を試みたり、さらには、街に出ていくなどのことを行った。その後、参加者同士で体感を共有し、議論した。1日限りのワークショップを含め、これまでに東京、和歌山、台北などで行っており、アーティスト、ダンサー、文筆家、俳優、フェミニズム研究者、シャチ化志向者など多様な方が参加した。
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第一回肉体逃走合宿, 新宿某所, 2021年5月
肉体逃走WS, Taipei Performing Arts Center, 2022年8月
第三回肉体逃走合宿, 神楽坂F/Actory, 2022年2月
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アーカイブ記事:【イベントレポート】オンライントークセッション《「人間」のやめ方》| ダンス井戸端会議
「第一回肉体逃走合宿」での体験について参加者同士で語り合ったトークセッションの記録
展示 + 在廊パフォーマンス
展示空間では資料の展示を行うと共に、「在廊パフォーマンス」を行った。このパフォーマンスには始まりも終わりもなく、ただ「still humanという存在がそこにいる」という形式をとる。鑑賞者は、展示空間で人間でありながら異なる常識で動く存在に遭遇する。
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MOT ANNUAL 2023, 東京都現代美術館 / Museum of Contemporary Art Tokyo / Photo by Artist
CAF賞2022, 代官山ヒルサイドテラス, 2022年12月 / Photo by Kaori NISHIDA
擬風景展, 東京藝術大学陳列館, 2022年5月
パフォーマンス
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Stilllive, ゲーテインスティトゥート東京, 2022年3月 / Photo by Yulia Skogoreva, Yohta Kataoka and Yuichiro Noda
ゾンビと震動, 北千住BUoY, 2022年3月 / Photo by Yukinori Suda